表現と創造。
2007年 11月 07日
行ってよかった。
言葉にならない思い。
モネのためだけに作られた部屋に入った途端、胸が熱くなって自然と涙が出た。
白い部屋で、作品だけでなく、作家もそこで生きていた。
夕日の沈む港に浮かぶ草間さんの作品もまた、生きていた。
自然の生み出す雄大さと、その豊かな感受性は彼女=「かぼちゃ」という作品となって強烈な印象を私たちに残す。
町の人たちもまた、そこで緩やかにいつも通りに、生きていた。
地元のおじさんは、MY自転車で観光客を獲物のごとく捕まえては、不器用に、でもとっても嬉しそうに、「おらが町」の美術作品を案内して歩く。区役所に寄って、町人割引をもらって、少しでも安く客人を島で楽しませようとする。立派な案内人だ。
タレルの青の部屋。
何と言う表現力だろう。光の眼差し。
人が見ている世界の矛盾と錯覚。
最初はそこに絵が描かれているのだと思う。
階段を登り、「彼」に近づいていく。作品の内部にいる自分。
そこは創造の世界。突き当たりは空洞。その先に何があるのか?
考え、創造するのは自分自身。空なのか闇なのか。それとも海なのか。異次元なのか。
レンタサイクルでまわっていたら、ポイントごとで会う観光客の人達と、自然と話をしていた。
「次はどこへ行きます?」「この場所にはどうやって行ったらいいのかな?」「中に凄く素敵な作品がありますよ」
わからないと、近所のおばちゃんが教えてくれた。作品ごとにも、町のボランティアの人がついて、色々説明してくれる。都会から移り住んでカフェを開いた人もいるそうだけど、はっきり言って、羨ましい。
港への帰り道、小学校は運動会の片付け中だった。子供達はこの島の作品を、どう思っているのだろう?
この場所に来るためにする努力は、無駄じゃないと自信を持って言えます。
秋元雄史と安藤忠雄という人は、欲のためではなく、直島と、自然と、日本のアート界の為に、歴史に残る素晴らしいものを作り、また、ただ作ったのではなく、時間の中で手をかけ愛を注ぎ、育てているのだと思いました。
Kちゃん。いつか絶対一緒に行こう。
その時は、お金ためて、ベネッセハウスに泊まろうね。
by getride_summer
| 2007-11-07 19:40
| 旅